大月織物工業協同組合

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繊維ものしり情報

ものしり情報で繊維製品を知ろう!(富士吉田織物協同組合資料より)
ものしり1 ニュータイプの繊維素材
ものしり2 繊維素材の各種加工(その1)
ものしり3 繊維素材の各種加工(その2)
ものしり4 シルク素材の扱い方
ものしり5 クリーニングトラブルを防ぐには

ニュータイプの繊維素材

- 新合繊 -

新合繊とは、主にポリエステル長繊維に、合成繊維にしか使えないハイテク技術を用いて作られる高感性の素材で、婦人用のブラウスやスカート、セーター等に幅広く使われています。

- 新世代ウール -

新世代ウールとは何らかの新しい品質特性を持っているウール素材のことです。それは主に紡績や加工に高度な技術を用いて作られます。

- テンセル -

テンセルとはイギリスで開発された繊維の商標名です。日本では「繊維素繊維(指定外)」と表示され、「テンセル」と付記される場合もあります。

- 複合素材 -

何種類かの異なった成分を組み合わせて作った繊維を複合繊維といいます。

- 不透明な素材 -

これは「透けない白布」として開発されたものです。

繊維素材の各種加工(その1)

快適性を追求した各種の加工法が多数開発されています。最近では快適性だけでなく健康、衛生、安全性等も考えられ、注目されています。主な加工法を紹介します。

- 抗菌防臭加工 -

繊維上の菌の増殖を抑制し防臭効果を出す加工です。加工としては、主に細菌の増殖をおさえる薬剤を繊維に固着したものがあります。最近では病院内感染を防止するものも開発されています。

- 消臭加工 -

繊維に消臭性の物質を固着され、生活環境で発生する悪臭を臭わない物質に変えるタイプの加工 と、悪臭を吸着できる物質を繊維に固着させる加工とがあります。最近ではタバコのにおいを消すタイプのもや、消臭と抗菌効果の両方をあわせ持ったものもあります。

- 防ダニ加工 -

繊維を薬剤処理して殺ダニ、ダニの増殖抑制、ダニの忌避等の効果を持たせる加工です。主に、カーペット等のインテリア製品に用いられています。 そのほか、極細の繊維を用いて高密度に織り、繊維のすき間をダニより小さくしてダニが通過できないようにしたものもあります。

- 紫外線カット加工 -

紫外線を吸収するタイプと反射や遮断をするタイプ加工があります。前者は紫外線吸収剤を繊維の表面にコーティングしたものですが薬品の安全性や耐洗濯性等に問題があります。後者は特殊な微粒子を合成繊維に練り込んだものです。

- 芳香加工 -

香り成分をマイクロカプセルに閉じこめて繊維に付着させる加工です。着用時の摩擦によりマイクロカプセルが壊れて、香りが徐々に出るしくみになっていますが、洗濯を繰り返すと香りが薄くなっています。最近では繊維の中心部に香科を練り込んだタイプものもあり、いろいろな効果も期待されています。

繊維素材の各種加工(その2)

- 形態安定加工 -

主に綿、麻製品及び綿、麻のポリエステル混紡品を液体アンモニアで処理し、樹脂で処理する加工です。それにより布はしわになりにくく、縮みにくくなります。洗濯後ノーアイロンで着られるシャツで有名になりました。最近では紳士用の背広やポロシャツ等にも加工が施してあるものもあります。

- 吸水吸汗加工 -

吸水性の低い合成繊維製品にいろいろな方法で吸水性を与える加工です。加工としては、繊維に多数の微小な穴を開け、その部分に水分をためこむようにしたものや、非常に細い繊維に深い切り込みをいれ毛細管現象を利用したもの、また、糸の構造を変え、さやの部分に吸水性のよい繊維を使い、芯の部分に水分の移動性を与えた二層構造糸としたもの等があります。

- 透湿防水加工 -

身体から出る水蒸気を衣服内部から外へだし、しかも外からの水滴は衣服内部に通さない機能を持たせる加工です。加工としては、非常に細かい繊維を使った糸で高密度に織ったものや、極微の穴を多数あけた脂肪膜を布の表面にコーティングしたもの等があります。

- 帯電防止加工 -

合成繊維等、静電気を帯びやすいものを帯電しにくくする加工です。加工としては、親水性を持つ物質を混合して水分を含みやすくしたものや、繊維表面に導電性成分の膜をコーティングしたもの等があります。

シルク素材の扱い方

絹の消費量はわが国が最大で、世界の三分の一を占めています。中国、香港等からの輸入が多くなっています。和服、ネクタイ、スカーフだけでなく上着、ブラウス、下着類等、絹の製品の種類は増えています。絹に種々の合成繊維を混ぜた糸で作られているものもあります。

- 絹の特性 -

優雅な光沢があり美しい。しなやかな感触がある。染色性がよい。ドレープ性がよい。吸湿性がよい。縮みやすい。摩擦によって毛羽立ちやすい。日光で黄変しやすい。アルカリに弱い。虫害を受けやすい。

- 取り扱い上の注意 -

洗濯により、収縮やしわが生じやすく、プリーツなどは消えやすい。日光に弱く黄変しやすい。一般に染色堅ろう度の低いものが多く、日光で変混色することがあります。最近は、洗濯機で洗えるという製品も出ているので、取り扱い表示や注意事項をよく見て扱いましょう。手洗いする場合、一般的には中性洗剤とねるま湯を用い、軽く洗いすすぎます。軽く脱水し、日陰干しにし、生乾きのうちにアイロンを掛けます。すべて短時間で行うようにしましょう。

- クリーニング -

摩擦によって毛羽立ち、白っぽく見えるようになります。(白化現象)生地表面を薄く起毛した絹製品は、ドライクリーニングにより色の濃淡が発生したり、摩擦によって起毛部分の毛羽が落ちてしまうことがあります。

クリーニングトラブルを防ぐには

- 預けるとき、受け取るときの相互確認 -

「預けたときには穴はなかったはず」、「いや預かったときは確かに穴があいていた」こうしたトラブルが意外と多くあります。いつ、どこで穴があいたのか等調べても分からないことが多く、結局は水掛け論でお互いに不満だけ残る結果となります。品物を預けるときと受け取るとき、品物に異常がないかどうかを店の人と一緒に確認することが大切なポイントになります。

- 日常生活での注意 -

パーマ液、漂白剤、カビ取り剤等の家庭用洗浄剤、車やバイクのバッテリー液等が付いた衣料はクリーニングで色が変化したり、穴があいたりすることがあります。こうした薬品類を扱うときには衣類に付着しないように注意して、また、誤って付いてしまったときはクリーニング店に伝えるようにしましょう。

- 水洗いできる衣類を選ぶ -

汗や食べこぼし等の汚れがクリーニングしても落ちずにトラブルになることがあります。こうした汚れは水洗いで落とせる場合も多いのですが、収縮や型崩れ、生地の傷み、色落ち等が生じるおそれがあり、水洗いしたくてもできない衣類がたくさんあります。汗や汚れが多く付くような衣類には、水洗いできるものを選ぶこともクリーニングトラブルを防ぐ一つの方法です。ただし、汗や食べこぼし等の汚れは時間の経過とともに水洗いでも落ちにくくなるので早めにクリーニングすることも必要です。